HOME 製品紹介 テンションセンサー関連

テンションセンサー関連

テンションセンサーとは

テンションセンサー(Tension Sensor)とは、ウェブ(フィルム・シート・紙・箔など)や線材(ワイヤー・糸・繊維)にかかる「張力(テンション)」=「引っ張る力」を測定・検出するセンサーのことです。

生産ラインにおいて、材料が流れる際に「張り過ぎ」や「緩み」が発生すると、製品の品質低下や破損につながります。テンションセンサーは、この張力を電気信号に変換してリアルタイムで数値化し、製造・搬送プロセスの自動制御や監視を行うために不可欠な役割を果たしています。

テンションセンサー関連製品一覧

導入の目的と用途(テープ・フィルム・シート)

特にプラスチックフィルム、金属箔、紙などの薄い素材は、張力が不安定になると以下のトラブルが発生しやすくなります。

  • しわ(Wrinkles)
  • たるみ(Slack)
  • 破れ・断裂(Breakage)

リチウムイオンバッテリーのセパレータや電極材、データ用磁気テープ、包装用フィルムなどの製造工程では、ロール状に巻かれた素材を繰り出し、加工し、再び巻き取る「ロール・トゥ・ロール(Roll to Roll)」方式が一般的です。この工程間において一定の張力を保つためにテンションセンサーが導入されています。

【主な使用例】

  • フィルム・シート製造装置(ウェブ搬送ライン): 製膜、ラミネート、コーティング
  • 加工機械: スリッター(切断・巻き取り)、包装機械
  • 印刷機: グラビア印刷、フレキソ印刷

【設置箇所】

  • 巻き出し部(アンワインダー)直後
  • プロセス加工部の中間ロール(走行テンション制御)
  • 巻き取り部(リワインダー)直前
テンションセンサーをスリッター機に搭載した事例イメージ

テンションセンサーの測定原理(仕組み)

現在主流となっているテンションセンサーの多くは、ひずみゲージ(ストレインゲージ)を利用したロードセル方式を採用しています。

  1. 構造: センサー内部の金属部材(起歪体)にひずみゲージが貼られています。
  2. 負荷: フィルムやワイヤーからの張力がかかると、金属部材がわずかに変形します。
  3. 検出: 変形によってひずみゲージの電気抵抗が変化します。
  4. 出力: 抵抗変化を電気信号として取り出し、力の大きさ(張力)を算出します。

テンションの値は、ニュートン(N)またはKgfなどの力の単位で表されます。
右図のような張力(T)で引っ張られているフィルムにテンション検出用にひずみゲージを使ったロードセルタイプのローラーを配置し、ローラーが引っ張られる力(F)から張力(T)を算出し表示するものが現在主流です。

テンションセンサーの測定原理(仕組み)イメージ

大倉インダストリーのテンションセンサーの特長

当社(大倉インダストリー)のテンションセンサーは、特にシビアな管理が求められる磁気テープ業界で40年以上の実績を持ち、同分野でシェアNo.1を誇ります。 現在はその高精度な技術を活かし、リチウムイオン電池(LiB)製造や機能性フィルムなど、高度な張力管理が必要な業界で多数採用されています。

主な用途

  • 製紙・フィルム・樹脂シート製造・・・ロール間の張力制御 (ロール to ロール)
  • 繊維産業・・・・・・・・・・・・・・糸・織物の張力管理
  • 鉄鋼・ワイヤー加工・・・・・・・・・線材の引張力測定
  • 自動車・ロボット・・・・・・・・・・ケーブル・ベルト・アクチュエータの張力検出

導入メリット

  • 張力をリアルタイムに監視できる
  • 品質の安定・破損防止に有効
  • 自動制御システム(PID制御など)と連携可能

① 多彩なラインナップで状況に対応

使用環境に合わせて、大きく3つのタイプをご用意しています。

  • 設置式タイプ: 既存ラインの空きスペースに後付けで設置可能。
  • ハンディタイプ: 片手で持ち運び、スポット的な測定が可能。
  • ビルトインタイプ: プリンターや製造装置の走行系内部に組み込み可能。
走行系に設置タイプのテンションセンサー ビルトインタイプのテンションセンサー

② 高速走行ラインの「動的テンション」を測定

静止状態だけでなく、高速で走行しているテープやフィルムの動的なテンション変動を正確に捉えます。高い応答周波数を持つため、瞬時の張力変化も見逃しません。

③ 高い再現性と直線性

ローラー回転部のロス抵抗(摩擦抵抗)を極限まで低減することで、高い再現性を実現しました。また、フィルムへの巻き付け角度(ラップ角)を深く設計できるモデルが多く、出力の直線性に優れています。

④ 幅広い素材幅に対応

・ワイヤー・線材用
・テープ・フィルム用: 4mm、8mm、12.5mm、40mm、80mm、200mm幅など

⑤ 専用アナライザーによる高度な制御

センサー本体(検出部)に加え、専用のテンションアナライザー(1TA-30)を組み合わせることで、単なる増幅(アンプ)だけでなく、マイコン制御による演算、デジタル表示、外部出力(PID制御システムとの連携)が可能になります。

大倉インダストリーの多彩なラインナップ

top